ひとり親、寡婦、特別の寡婦とは:年末調整・確定申告

確定申告
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2020年分の年末調整・確定申告から「寡婦」「特別の寡婦」「寡夫」の控除が改正され、「ひとり親控除」「寡婦控除」となりました。

これにより今まで婚姻歴のあるシングルマザーだけが対象だった「寡婦」「特別の寡婦」の控除が、「ひとり親控除」の新設で未婚のシングルマザー・シングルファザーも「ひとり親」となり控除を受けられるようになりました。

「ひとり親控除」新設により、
寡夫控除」(控除額27万円)は廃止⇒「ひとり親控除」(控除額35万円)へ
特別の寡婦」(控除額35万円)は廃止⇒「ひとり親控除」(控除額35万円)へ
寡婦控除」(控除額27万円)⇒「寡婦控除」(控除額27万円)
                ・・・適用要件改正して存続(適用外の人も)

 

年末調整での「ひとり親控除」「寡婦控除」

会社勤めで給与をもらっている人は、10月末頃に会社から年末調整のために

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」
「給与所得者の保険料控除申告書」
「配偶者控除等申告書」
が渡されます。

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には、「ひとり親」と「寡婦」の記入欄があります。

「控除」の額は「税額」や「所得」に影響し、児童扶養手当のもらえる金額やいろんな資格確認にも関係してきますので記入漏れの無いようにしてください。

自営業などで年末調整のない方は確定申告で申告して下さい!

それでは『ひとり親』『寡婦』『特別の寡婦』の違いと、『ひとり親控除』『寡婦控除』について説明します。

注)既婚・結婚・再婚とは婚姻(=入籍)をしたことをいいます。

「寡婦控除」と「ひとり親控除」は同時控除はできません。

婚姻歴有りも未婚も女性も男性も下記の「ひとり親」であれば控除対象になります。

 

「ひとり親控除」対象の「ひとり親」とは

「ひとり親控除」は、納税者本人が原則としてその年の12月31日の時点で次の全てに当てはまる人(=ひとり親)が対象になります。

控除対象の「ひとり親」とは、

・現に婚姻をしていない又は配偶者が生死不明‭の人で、
・生計を一にする子がいる 合計所得金額が500万円以下であること
・事実上婚姻関係と同様の事情にある者がいないこと。

 

  • 「現に婚姻していない」とは
    未婚・既婚とは関係なく「現時点において婚姻関係にないもの」という意味で、結婚(入籍)・事実婚をしていない状態です。

  • 「事実上婚姻関係と同様の事情」とは
    住民票で事実婚と判断される人のこと。
    「未届けの夫」「未届けの妻」は事実婚と判断されます。

  • 「生計が一の子」とは
    自分の収入で養っている子がいる。
    子に収入がある場合、その収入が年間総所得金額が48万円以下であること。

  • 合計所得金額が500万円以下とは
    会社勤めだけの方の場合、源泉徴収表の「給与所得控除後の額」のことです。

合計所得500万円以下とは

「ひとり親」の控除額は35万円です。

 

「寡婦控除」対象の「寡婦」とは

寡婦」は、原則その年の12月31日の現況で、納税者(女性)が「ひとり親」に該当しない人で、AまたはBに当てはまる人です。

ただし、納税者(女性)と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人がいる場合は対象外になります。

※「事実上婚姻関係と同様の事情」とは、住民票で事実婚と判断される人のことで、「未届けの夫」「未届けの妻」は事実婚と判断され「寡婦」にはなりません。

A 夫と離婚した後、婚姻(つまり再婚)していない人で
  ・扶養親族がいる
  ・合計所得金額が500万円以下である

 

B 夫と死別後婚姻(つまり再婚)していない人、又は夫の生死不明で、
  ・合計所得金額が500万円以下である 

 

「寡婦」の控除額は27万円です。

 

廃止された「特別の寡婦」「寡夫」

「特別の寡婦」とは

現在、「特別の寡婦」は廃止され、「ひとり親」となりました。

以前の「特別の寡婦』は下の1~3全てに当てはまる女性でした。

結婚後

  1. 離婚か死別して再婚をしていない人、又は夫の生死が不明な人で、
  2. 自分の収入で養っている子(=扶養親族である子)がいて、
  3. さらに年間所得が500万円以下、

の場合です。

なので、扶養する子供がいる寡婦で、年間所得500万円以下であれば特別の寡婦になります。

「寡夫」とは

「寡夫」も廃止され、「ひとり親」となりました。

以前の「寡夫」とは、納税者本人(シングルファザー)が、原則としてその年の12月31日時点で、次のすべての要件に当てはまる男性のことでした。

  • 合計所得金額が500万円以下であること。
  • 妻と死別し、もしくは離婚後婚姻をしていないこと、又は妻の生死が明らかでない一定の人であること。
  • 生計を一にする子がいること。
    この場合の子は、総所得金額等が38万円以下で、ほかの人の控除対象配偶者や扶養親族になっていない人に限られます。

「妻」とは民法上の婚姻関係のことです。

 

「ひとり親控除」「寡婦控除」とは

会社勤めの人で控除対象の「ひとり親」「寡婦」に該当する人は、年末調整で申告をする必要があります。

自営業などで年末調整のない方は確定申告で申告し下さい。

「ひとり親控除」「寡婦控除」とは、税法上の「ひとり親」「寡婦」に当たる場合に受けられる所得控除のことです。
控除」は税金の対象にならない金額を収入から引くことです。

控除を受けることで所得が減り、「所得税」「住民税」などの税額が少なくなります。

簡単に表すと、
・収入-控除=所得(額)
・所得額×税率=税金の額
なので、控除の金額が多いほど所得(額)が少なくなるので、税金が少なくなります。

 

控除の中に「ひとり親控除」または「寡婦控除」が入ります。
※「寡婦控除」と「ひとり親控除」は同時控除はできません。

所得税の場合の控除は、
・ひとり親控除は35万円
・寡婦控除は27万円

控除の金額が増えるとその分税金が少なくなります。

もし、【年末調整】の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」でひとり親・寡婦の申告を忘れても大丈夫!
【確定申告】で追加申告すれば良いのです。

自営業などで年末調整のない方は確定申告で忘れないように申告して下さいね!

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