「ひとり親控除」「寡婦控除」とは~令和6年分年末調整・確定申告は未婚シングルマザーも控除対象です
会社勤めで給与をもらっている人は、10月末頃に会社から年末調整のために
- 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」
- 「給与所得者の保険料控除申告書」
- 「配偶者控除等申告書」(2018年の年末調整より新設)
が渡されます。
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には母子家庭のために寡婦とひとり親の記入欄があります。
「控除」は、「税金」「所得」に関係し、児童扶養手当などの支給額やいろんな資格確認にも関係してきますので、記入漏れの無いようにしてくださいね!
「税金」「所得」に関係しますのでシングルマザー、シングルファザー必読です!
令和元年(2019年)までの年末調整や確定申告
令和元年(2019年)までの年末調整や確定申告では、母子家庭のシングルマザーや父子家庭のシングルファザーは寡婦控除・特別の寡婦の控除や寡夫控除をすることで税の優遇を受けていました。
⇒2019年までの「寡婦」「特別の寡婦」「寡夫」と控除
⇒控除・控除額とは何か?
ただしこの制度は「婚姻(=入籍した)後、配偶者と離婚・死別、配偶者の生死不明の方」が対象でした。
つまり、未婚のシングルマザーやシングルファザーは対象外だったわけです。
そこで「未婚のひとり親」に対する税制上の措置及び「寡婦」「特別の寡婦」「寡夫」と控除が令和2年度税制改正されました。
「ひとり親控除」は、未婚のシングルマザー・未婚のシングルファザーも控除の対象にするために新設されたものです。
「特別の寡婦」(控除額35万円)は廃止⇒「ひとり親控除」(控除額35万円)へ
「寡婦控除」(控除額27万円)⇒「寡婦控除」(控除額27万円)
・・・適用要件改正して存続(適用外の人も)
「寡婦控除」と「ひとり親控除」は同時控除はできません。
既婚も未婚も女性も男性も下記の「ひとり親」であれば控除対象になります。
「ひとり親控除」対象の「ひとり親」とは
「ひとり親控除」は、納税者本人が原則としてその年の12月31日の時点で次の全てに当てはまる人(=ひとり親)が対象になります。
控除対象の「ひとり親」とは
- 生計を一にする子がいる
- 合計所得金額が500万円以下であること
- 事実上婚姻関係と同様の事情にある者がいないこと。
- 「現に婚姻していない」とは
未婚・既婚とは関係なく「現時点において婚姻関係にないもの」という意味で、結婚(入籍)・事実婚をしていない状態です。 - 「事実上婚姻関係と同様の事情」とは
住民票で事実婚と判断される人のこと。
「未届けの夫」「未届けの妻」は事実婚と判断されます。 - 「生計が一の子」とは
自分の収入で養っている子がいる。
子に収入がある場合、その収入が年間総所得金額が48万円以下であること。 - 合計所得金額が500万円以下とは
会社勤めだけの方の場合、源泉徴収表の「給与所得控除後の額」のことです。
「ひとり親」の控除額は35万円です。
「寡婦控除」対象の「寡婦」とは
「寡婦」は、原則その年の12月31日の現況で、納税者(女性)が「ひとり親」に該当しない人で、AまたはBに当てはまる人です。
ただし、納税者(女性)と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人がいる場合は対象外になります。
※「事実上婚姻関係と同様の事情」とは、住民票で事実婚と判断される人のことで、「未届けの夫」「未届けの妻」は事実婚と判断されNGです。
・扶養親族がいる
・合計所得金額が500万円以下である
・合計所得金額が500万円以下である
「寡婦」の控除額は27万円です。
「ひとり親控除」「寡婦控除」とは
会社勤めの人で控除対象の「ひとり親」「寡婦」に該当する人は、年末調整で申告をする必要があります。
「ひとり親控除」「寡婦控除」とは、税法上の「ひとり親」「寡婦」に当たる場合に受けられる所得控除のことです。
「控除」は税金の対象にならない金額を収入から引くことなのです。
控除を受けることで所得が減り、「所得税」「住民税」などの税額が少なくなります。
・収入-控除=所得(額)
・所得額×税率=税金の額
なので、控除の金額が多いほど所得(額)が少なくなるので、税金が少なくなります。
控除の中にひとり親控除または寡婦控除が入ります。
所得税の場合の控除は、
・ひとり親控除は35万円
・寡婦控除は27万円
控除の金額が増えるとその分税金が少なくなります。
もし、【年末調整】の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」でひとり親・寡婦の申告を忘れても大丈夫!
【確定申告】で追加申告すれば良いのです。
自営業などで年末調整のない方は確定申告で忘れないように申告して下さいね!
国税庁のHPはこちら↓
ひとり親控除及び寡婦控除に関するFAQ(源泉所得税関係)